Roles andInsights
クリエイターインタビューと座談会
動画の仕事とは?

動画の仕事とは?

「アニメーター(動画)」
のお仕事について

アニメーターの「動画」とは、どういった仕事なのでしょうか。
動画は原画がメインで演技を作り上げたものに感情や描写などすべての動きを作り上げ、スクリーンに映る最終的な映像の土台となる画を完成させる仕事です。動画枚数の要求もしていくことになり、作り上げていくためにとても時間がかかります。
動画の仕事で心掛けていることを教えてください。
「これでいいか」でやらないこと、「これぐらいにしておこう」をやめることですね。アニメーション制作全体の課題として動画の教育者がそもそも少なく、純粋に画に向き合う時間がないなど様々な課題を抱えています。その前後のカットでどういう演技をしているかが読めず、自分の気持ちがそのカットで完結してしまうことが欠点でもあります。
1カットに対しての気持ちを入れられるように、絵コンテを一緒に紐解いていきながら、演技を理解してもらうための時間を可能な限り作るようにしています。
また、求められるもの、求めていくことを明確にするためにディスカッションをする時間を設けるなど、チームとして、個人として、その人を見ることをとても大事にしています。
どのような人材がこの仕事に向いていると思いますか。
最終的にスクリーンに映る画を決める責任を持っているポジションでもあるので、それぞれ個人の資質が問われる部分がとても多いのが特徴でもあります。完成させるという意味で言えば、動かすことが好きな人やコツコツとやることが出来る人が向いているかと思います。
動画は原画がポイントごとに描いた画に対して、その中の流れをどう仕上げていくかを考え、表現としてアウトプットできるかがとても重要なので、様々なことに興味を持ち、観察する癖がある人や、自分の経験や感情、感覚などの素材をもとに、動きをイメージして画に描き入れることができる人が動画としてとても適正があると思います。
動画:大谷久美子

フリーのアニメーターとしてキャリアをスタート。以降、OVA作品や劇場用アニメーション映画等、数多くのアニメーション作品において動画、動画検査として活躍。主な参加作品に『となりのトトロ』(88年)、『魔女の宅急便』(89年)、『ユンカース・カム・ヒア』(95年)、『パルムの樹』(02年)、『イヴの時間 劇場版』(09年)、『サカサマのパテマ』(13年)など。スタジオポノック作品では、『メアリと魔女の花』(17年)、ポノック短編劇場『ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-』(18年)、『屋根裏のラジャー』(23年)で動画及び動画検査を担当。